【レポート】臨床美術体験講座「いろいろな線と色で遊ぼう」(第1回目)
2012年12月20日
2012年12月9日。大雪の天気予報が報じられた週末でしたが、クリニカルアートやまがた初の一般向け臨床美術講座「いろいろな線と色で遊ぼう」を、東北芸術工科大学美術館大学センターのアトリエ棟で開催。山形市、天童市ほか、近隣市町村から10名の皆さんにご参加いただきました。今回の講師担当は安達さん。
最初はちょっと緊張している様子のみなさんでしたが、臨床美術とは何かのお話を聞いたり、描く前のリラックス体操をしたりするうちに笑顔がちらほら。実制作に入る頃にはすっかり緊張もとれ、不思議とオイルパステルの美しい色が画面にひろがっていきます。そっくりに描くことから解放され、線と色を「自動的に」 と言っていいほどスラスラ描ける気持ち良さがこの講座の特徴です。
次に、作品を好きな色のフレームを当てて画面を切り取り完成させたら、東海林会長が差し入れてくれたドリップコーヒーとメンバーの工藤さんお手製のデラックスなティラミスをいただきながらリラックスモードでの鑑賞会が始まります。
それぞれの方が描かれた作品の特徴や魅力を臨床美術士がお伝えする時間です。鑑賞担当は高橋さん。一つひとつの作品を手にとりながら、線と色の重なりの美しさや、描かれた方ご自身では気がつかない作品の特徴や魅力をお伝えしていきます。臨床美術講座ではこの鑑賞の時間を長くとり、自分の素直な表現+偶然が作る創造の楽しさを味わっていきます。
またみなさんの作品を並べることで互いの個性が光ります。表現に正解はありません。上手下手もありません。それぞれの方の「そのままの個性」に出会う時間です。
以下に参加者の感想を少しご紹介します。
●中学校の時から絵を描くことにコンプレックスがありましたが、楽しむことができました。自分で思ったように描くというというより、色を重ねていくうちに作品が自然に出来あがっていったという感じです。(河北町/女性/44歳)
●上手くいかないなと思ってもそれが自分なんだと思いました。(表現したものは)他人と比較するものではなく、それぞれの持っているものが出てきたと思いました。講師のみなさんがたくさんほめてくだるので、自分が持っていた(自分の絵に対しての)マイナスイメージもプラスに思うことができました。(天童市/女性)
●アートセラピーや臨床美術に前から興味があったので参加しました。今回参加してみて、普段デッザンを描いたりしているのですが、(絵を描くことへの)技術自慢的なものをする必要無く、とてもリラックスして描くことができました。夢中になりました(山形市/男性/40歳)
次回の一般向けの臨床美術講座は2月末に開催予定です。今回と同じく東北芸術工科大学の教室をお借りして実施します。ご興味がある方は気軽にご参加くださいませ。
(詳細は1月下旬頃にはこのホームページにアップいたします。)
樋口雅子(クリニカルアートやまがたメンバー)
「ギャラリーららら」で臨床美術の制作展を開催しました
2012年12月10日
クリニカルアートやまがたでは今年、「らふらんす大江」(大江町)を利用者のみなさんに臨床美術講座を実施しました。こちらのブログでも紹介させていただきましたが「いろいろな線と色で遊ぼう」「りんごの量感画」「マティスとのコラボレーション」の3回を実施。その成果が、山形県庁の近くにある障がい者のアート作品展示場「ギャラリーららら」(山形市松波町/社会福祉法人 愛泉会)で、2012年12月7日まで展示されました。
展示期間中には「らふらんす大江」のみなさんが大江町からバスでご来場。同ギャラリーの企画・運営に関わる木村さんによると、作品が展示されていたことを知ってとても嬉しそうだったとのことでした。また「りんごの量感画」の作品を見て、リンゴが食べたくなった方もいらしたとか。このプログラムは、実際にリンゴを食べたり、手に持ったり、香りをかいだりして、リンゴの存在感をたっぷり味わいながら描くので、「おいしそう!」「食べたい」と想いながら描いた記憶を思いだされたのかもしれませんね。
会場では、木村さんのお取り計らいで、クリニカルアートやまがたの講座のお知らせや、臨床美術のパンフレットも設置いただき、私たちの活動の普及にご協力いただきました。ありがとうございます。そして今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
樋口雅子(クリニカルアートやまがたメンバー)
【レポート】岩手県盛岡市在住の臨床美術士 小野寺さん
2012年11月28日
臨床美術士は全国で述べ人数約4000人。そのうち山形在住は約70名です。ここで他県の臨床美術士の方の活動も少し紹介します。今回は、一般の方や小学生、特別支援児を対象に、岩手県盛岡市で臨床美術の教室を開いている小野寺牧子さんです。
小野寺さんは私たちクリニカルアートやまがたのメンバー同様、東北芸術工科大学の「生涯学習プログラム」で臨床美術士の資格を取得されました。現在は、一般の方の教室「Art room ママ・プシュケ」、小学生対象の教室「アート・コム盛岡教室」を開講されています。時々私たちが情報交換会と称する飲み会を山形や仙台で実施する折には、かけつけてきてくださる心強い先輩です。その小野寺さんが2012年11月25日に一般の方を対象に開催したワークショップを開催しました。
(小野寺さんより)当日は、臨床美術に強く興味を持たれた方が多く参加してくださいました。美術の経験があるなしに関わらず、出来上がった作品にはそれぞれの個性が花開き、色も形もさまざま。全員の作品を並べて観ると実に見事でした。鑑賞会ではお互いの作品の良さをたくさん見つけあい、いい笑顔の時間を過ごされていました。
以下は参加された方のご感想です。
「普段やっていない色の組み合わせを考えたり、形を考えたりすることがとても楽しかったです。脳トレになりました。」
「画材の安全性や身近にあるものを使用したりと、とても人にやさしい所に感じました。夢中になれる時間が持てて、とてもよかったと思います。」
「普段絵を描く時は、物を見て描いたり、思い出しながら描くことが多いので、何もない状態からイメージを膨らますのが難しく感じましたが、とても楽しかったです。」
「参加された方が、皆楽しいと感じることができて、素晴らしいと思います。」
「フロッタージュ・コラージュの言葉を、まず覚えました。結構楽しめて、「無」になることの素晴らしさを体験しました。」
臨床美術(クリニカルアート)は、脳科学に基づいた独自のアートプログラムに沿って、絵画や立体造形など創造的な活動を行うことで、脳機能の活性を促すことを目的としています。認知症の症状改善を目的として日本で開発されていますが、現在、韓国、中国、スウェーデンなど、各国それぞれの社会的なニーズに沿う形で開発が進んでいます。
クリニカルアートやまがたも、山形にお住まいの社会人の方や学生のみなさんにも臨床美術(クリニカルアート)をご体験いただきたい、そんな思いから、2012年12月9日(日)に東北芸術工科大学で一般向けの公開講座を開催します。ぜひこの機会に参加されてみてはいかがでしょうか。
2012年12月9日(日)臨床美術講座「いろいろな線と色で遊ぼう」概要
http://www.clinicalart-yamagata.jp/lecture/
ギャラリーらららで作品展を開催しています
2012年11月22日
クリニカルアートやまがたが「らふらんす大江」から依頼を受けて行った臨床美術講座の作品展を「ギャラリーららら」で開催されています。
素敵な作品がたくさんありますので、ぜひ観にいらしてください。
愛泉会 向陽園 ギャラリーららら
http://www.aisenkai-koyoen.com/~houkoku/lalala/
会期:2012年11月19日(月)〜12月7日(金)まで
時間:9:00〜17:00
休館日:土・日・祝日
住所:山形市松波3−8−5
電話:674−8628
【募集】臨床美術講座「いろいろな線と色で遊ぼう」
2012年11月15日
クリニカルアートやまがたでは、2012年12月9日(日)、東北芸術工科大学アトリエ棟3階にて、一般向けの臨床美術講座「いろいろな線と色で遊ぼう」を開催します。
活動を開始しはじめて約1年が経とうとしています。5月の会の創設以来、公的施設からの依頼講座を中心に活動を続けてきました。この度、初の一般の皆さんを対象とした臨床美術講座を開催します。
東北芸術工科大学の支援も受け、臨床美術の楽しさや奥深さを気軽にご体験いただける機会です。ぜひ知人、ご友人をお誘いあわせの上、ご参加ください。
—————————————————————
絵を描いて頭の中をほぐしてみませんか?
—————————————————————
頭の中がカチコチになったり、ストレスを感じていませんか?この講座では、五感が目覚めるような鮮やかな色のパステルを使い、紙に様々な太さ、色、かたちの線を、リラックスしながら自由に描くことを楽しみます。絵が苦手な方でも大丈夫。講座が終わる頃には、いろいろな線と色で自分が元気になるような作品が完成します。体をストレッチするように頭の中をほぐし、あなたの素敵な色と線の世界を見つけてみませんか?
◎講座概要
講座名:クリニカルアートやまがた臨床美術講座「いろいろな線と色で遊ぼう」
日時:2012年12月9日(日)9:30~11:30
会場:東北芸術工科大学アトリエ棟3階
住所:山形市上桜田3-4-5
対象:学生、社会人など一般の方
定員: 30名(先着順)
参加費:500円(材料費、お茶代を含みます)
主催:クリニカルアートやまがた
協力:東北芸術工科大学美術館大学センター
後援:日本臨床美術協会
◎お申込み:事務局 樋口
お名前、ご連絡先(電話番号)、参加人数を、電話かメールでお伝えください。
TEL:023-627-2043
◎駐車場のご案内
東北芸術工科大学キャンパス内の駐車場にご駐車ください。
◎公共交通機関のご案内
山交バスをご利用ください。講座開催時間に利用いただけるバスは以下の時間帯となります。
(行き)山形駅発 8:18 → 芸工大着8:38
(帰り)芸工大発 12:50 → 山形駅着13:05
HP:http://www.yamakobus.co.jp/rosenbus/pdf-jikokuhyo/yamagataeki.pdf
◎会場地図
© 2012 クリニカルアートやまがた All Rights Reserved.