【レポート】第三回総会を開催しました
2014年5月23日
2014年5月18日(日)
芸術工科大学アトリエ棟
昨年度の報告と今年度の方針を決めるため、総会を実施しました。
クリニカルアートやまがたが発足して早3年目。
会長の東海林さんのお話より、今年のキーワードは「いてくれて、ありがとう」です。
メンバー同士、いてくれることを大事に思うことを改めて感じました。
総会終了後には、私たちの会にも所属してくださっているダンサーの加藤由美先生によるワークショップを開催しました。
今回のワークショップは臨床美術士としての資質を高めるために企画したものです。「押すチカラ、引くチカラ」と題して、私たちがもともと持っている身体感覚を呼び覚ますためのワークショップです。どんなことをするのだろう?と、みなさんワクワクです。
あいさつなどを交わし、会場が和んだ後、加藤先生がボールペンを出してください…と、アナウンス。
二人でペアになり、お互い人差し指を使ってボールペンを持ち上げ、運んでいきます。ペンを落としてはいけないと、みなさん真剣な眼差しです。
どちらかが先導して動いて、相手がその動きについていきます。ボールペンが思わぬ方向に動いて、危うく落としてしまいそう…!
普段使わない感覚や筋肉を使い、会場は大盛り上がり!
最後には、向かい合ってお互い両手が触れ合わない距離を保ちながら、相手の動きに合わせて動いていきます。
ゆったりとした動きをしたりするペア、立ったりしゃがんだり、時には速く!激しく動くペアなど、こちらの実践も大盛り上がり。
相手のパワーを感じながら「押したり、引いたり」の意味を、このワークショップで体感することができました。
加藤先生、ありがとうございました!
ワークショップ後にはお楽しみの茶話会です。
みなさん持ち寄りのお菓子を囲んで、小関さんによる東日本大震災の臨床美術ボランティア「にほりぼ」の活動のお話から、会員一人ずつ今年度の抱負などを語りました。
この和気あいあいとした雰囲気がクリニカルアートやまがたの持ち味です。
会員同士のつながりも大事に、今年度も活動を精一杯進めていきます。
安達奈緒子(クリニカルアートやまがたメンバー)
【レポート】七ヶ宿町高齢者センター「紙素材でつくる立体 筍」
2014年5月19日
紙素材でつくる立体 筍
会場:七ヶ宿町高齢者センター
日時:2014年5月15日(木)
昨年度末に訪れた七ヶ宿町社会福祉協議会からご依頼をいただき、平成26年度1回目の講座を開催しました。クリニカルアート『やまがた』には、宮城県在住のメンバーもおります。今回は前回に引き続き、高橋かおる、千葉田鶴子さん、そして井上人美さんのオール宮城メンバーで担当させていただきました。緑豊な七ヶ宿町には大きなダムがあって、車窓からの眺めは最高です。景色に癒されながら会場へと向かいました。
今回のモデルは春を感じる筍です。七ヶ宿町の筍はまだ土の中・・・ということで、職員の今野さんがこの日の為に、お隣の蔵王町産の筍を用意して下さいました。とても大きな筍の登場に七ヶ宿町の皆さんのテンションも上がります。参加者は社協のお二人を含め計10名。前回参加して下さった方々が「今日は何をつくるのかしら」と笑顔で出迎えて下さいました。アットホームな雰囲気に思わず「ただいま」と言ってしまいそうです。
筍をよく観察してみると面白い形をしていることに気が付きます。「あなたの筍は大きいわね」「立派だ」とお互いの作品を誉め合う姿がみられました。皆さんすっかり制作に夢中です。モデルの筍を何度も確認しながら制作する人、モデルよりも魅力的な作品を目指す人、それぞれの個性が光る素敵な筍が完成しました。
出来上がった作品から机の上へと並べていきます。本物のいきいきとした筍が土の中から顔を出したようです。
お茶を飲みながら、鑑賞会が始まりました。お名前を呼ばれると前へ出てきて、作品のポイントを説明して下さる方もいらっしゃいました。
作り手の想いがぎゅっと詰まった筍たち。鑑賞会の後には、作品の脇に本物の筍を立てるという演出もあり、カメラを持った方々による撮影会が始まりました。七ヶ宿町で筍が収穫出来る日が待ち遠しいですね。
高橋かおる(クリニカルアートやまがたメンバー)
写真提供(七ヶ宿町社会福祉協議会)
【勉強会】たけのこの新聞工作
2014年5月11日
2014年5月10日(土)滝山コミュニティセンター
とても久しぶりの、ブログ更新です。
今回は会員向け勉強会の様子のご紹介です。
五月晴れの気持ちいいこの日、久しぶりに開催した勉強会でやってみたのは「たけのこの新聞工作」です。
宮城のメンバーも集まり、準備をしてくださった高橋かおるさんを中心に勉強会がスタート。
メンバーの小関さんが用意してくださった可愛いたけのこ達をモチーフに作っていきます。
手を入れていくほど、どんどん表情を変えていく自分だけのたけのこ。制作の手が止まりません!
たけのこの様々なイメージを持ちながら、会話も楽しみながら…思い思いのたけのこが出来上がっていきました。
完成した作品はこちら!
施設内に中庭があり、ちょっとお借りして…いいお天気のもと撮影会がスタート!こっそり、本物のたけのこも一緒に撮影会に参加です。
とってもいきいきとした、たけのこが出来ました!
みんなで勉強会をするのはとても楽しく、プログラムの良さ、楽しさをみんなで分かち合えます。
今年度は勉強会を多く開催していく予定です。勉強会を通し会員の絆を深め、今年度の活動も頑張っていきたいと思います。
安達奈緒子(クリニカルアートやまがたメンバー)
【レポート】七ヶ宿町高齢者センター「りんごの量感画」
2014年4月3日
五感で絵を描く(りんごの量感画)
会場:七ヶ宿町社会福祉協議会
日時:2014年3月25日(火)
今回は、七ヶ宿町社会福祉協議会から臨床美術講座のご依頼をいただきました。クリニカルアートやまがたにとっては、宮城県からの初依頼。講師として伺ったのは宮城県在住でクリニカルアートやまがたメンバーの高橋かおるさん、千葉田鶴子さん、そして山形からは工藤悦子さんの三人です。
七ヶ宿町は山に囲まれていて雰囲気がよく、とても落ち着く美しい所です。今回の依頼者で社協職員の今野さんは、気さくで、地域のお年寄りを支える明るく頼もしい方。最初はおそるおそる(多分:笑)私たちの会に「臨床美術ってどんなことするんですか?」と、連絡をくださいましたが、お話しているうちに、今野さんのお人柄もあり、これはぜひ七ヶ宿での講座を実現したい!という気持ちがわたしたちメンバーの中でも盛り上がっていきました。
プログラムは『りんごの量感画』。七ヶ宿のみなさんは臨床美術が初めてということで、どんな方でも描きやすく、楽しんでいただけるオイルパステルを使ったプログラムを実施。参加者は、社協の方お二人を含め、60代~90代(そのうち90代の方が4名!)の方が計12名。皆さん元気いっぱい!で、小学生の女の子の飛び入り参加もあり、幅広い年齢層。初めてとは思えないくらい個性的な作品が出来上がりました。絵を描くことに対しての既成概念が次々と壊れて、少々混乱しながらも、臨床美術を楽しんでいるご様子が伺えました。
今野さんほか社協の皆さんからも「参加者の皆さんの緊張が柔らぎ、楽しそうな表情に変わって行った。」という感想をいただきました。豊かな時間と人のあたたかさに、ほっこり癒される七ヶ宿の1日でした。
工藤悦子/高橋かおる(クリニカルアートやまがたメンバー)
写真提供(七ヶ宿町社会福祉協議会)
【レポート】理解しあえる「一人」をみつける
2014年4月2日
日時:2014年2月14日(金)19:00~21:15
会場:霞城セントラル23F高度情報会議室
参加者:男性11名/女性8名 (+臨床美術士3名)
臨床美術はコミュニケーションを学ぶ手法にもなります。2014年2月14日のバレンタインデーの日に、結婚を考えている方を対象としたユニークな臨床美術講座『Only one project 理解しあえる一人をみつける為の、コミュニケーションのワークショップ』を企画・実施しました。この講座を考えたのは、クリニカルアートやまがたに所属する臨床美術士メンバーの工藤悦子さん。これまでこのブログでも工藤さんの高齢者を対象とした講座などをご紹介してきました。
「いきいきサロン」で講師を務める工藤さん
今回の講座は、臨床美術プログラムの「二人で描く抽象画」を題材にしています。会社の同僚や仲間、初めて合ったもの同士など、二人が一組のペアになり、交互に1枚の紙に線を描きあうというもの。それを工藤さんが婚活講座としてアレンジしました。「多数の人からモテたいのではなく、自分と気があう方たった一人を見つけることこそ本当の婚活!」。その工藤さんの考えが、Only one projectというプロジェクト名にも反映されています。
一枚の紙に、一方の方が線を引き、もう一方の方がその線を活かすように線を追加する。そんなやりとりを進めていくと、そのうちに「お、そうきましたか。」と碁でも打ち合っているような言葉が飛び交うようになります。
参加者のみなさんは、最初は初体面で互いに何を話してよいかわからないご様子でしたが、交互に線をひいたり、色を塗ったりしていく過程で、じんわりと相手の気持ちや思いが伝り、表情もほころんできました。通常の婚活イベントのように「結婚相手をみつけなきゃ!」「声をかけなきゃ!」などと思わなくても良いことが、その方の自然体を引き出していたような気がします。
発表では、どんな気持ちで、相手のどんなところを生かしたかなどを発表していただきました。そうすることで、対面した相手のことだけではなく、参加者のみなさんが互いを思い、どんなふうに相手を尊重していったかなども知ることができます。
以下はご参加いただいた方からの感想です(少々多いのですが、いただいた感想すべてを掲載します。)
・表現するのはなかなか楽しかったです。色々なとらえ方があるなあと思った。(男性)
・普段使わない頭を使ってイメージ豊かに面白い経験をさせてもらいました。(30代/男性/農業)
・久々に芸術に触れた気がしました。色を加えて完成していく過程が楽しかったです。自分の思ってもみない意外な方向に出来上がっていくのも、シゲキがあって楽しく出来ました。(30代/女性/栄養士)
・また是非参加してみたいです。自分自身をさらけ出す様で照れ臭かったです。そんな時間も必要なのだととても感じました。(女性/会社員)
・久しぶりにパステルを使いました。とても楽しかったです。また機会があれば描いてみたいです。(30代/女性/会社員)
・ 絵を描きながら、相手と会話するきっかけが自然に出来た。もっと多くの人と話せるように、席替えが何回かあっても良かった。(30代/男性/会社員)
・新たな自分を発見できた感じでした。またやって下さい。ありがとうございました。(30代/男性/会社員)
・もっと時間がほしい感じを受けた。(20代/男性/無職)
・初めての体験、面白かったです。相手の方が色々と考えているんだなと考えさせられました。(男性/会社員)
・面白かったです。また開いてほしいと思いました。(40代/女性/公務員)
・連絡先を交換する時間を設けた方が良いと思う。時間に余裕が無いと思った。(30代/男性/会社員)
・大変に楽しい時間を過ごさせていただきました(*^^*)自分ひとりで完結させないアートを通して、自分を見つめ直す体験が出来ました。自分を卑下しないこと、相手の良い点を見つけること。自分が思ったことを言葉で表現すること、終わってみると課題が沢山見えました。作品を通して個性を垣間見ることもできて、良かったです☆初対面では、ぱっと見ただけでは、分からないような良さも作業や色を通して見えてきたり。婚活が苦手なアラフォーとしましては、また次回も参加したい内容でした(^_-)臨床美術についても興味が深まり、よいキッカケになりました。(40代/女性)
この講座の再度の開催のご要望を多くいただきました。工藤さんの Only one project の今後の展開がとても楽しみです。
樋口雅子(クリニカルアートやまがたメンバー)
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