日々の活動Blog

【依頼講座】宮城県七ヶ宿町へ行ってきました!⑤

2017年10月14日(土)
依頼講座 宮城県七ヶ宿町社会福祉協議会

会場 七ヶ宿町高齢者センター(関)
プログラム「立体 かぼちゃ」

山形から宮城にむかう道の山々も黄色や赤に色づきはじめ、秋の深まりを感じられるようになりました。七ヶ宿第3期生の2回目の講座が開かれました。外の肌寒さも加え、緊張して入った高齢者センターは、1時間前にもかかわらず、七ヶ宿社協さんが暖房を入れ迎えてくださいました。部屋の暖かさに体も心もホッとするとともに、お心づかいに感謝です。

 会場準備も整い、1時を過ぎると参加者の方々が集まって来ました。今回は、モチーフのかぼちゃをテーブルの中心にどーんと置きました。表情豊かなかぼちゃばかりで皆さんがそろうまで、テーブルではかぼちゃの話盛り上がりました。その為、メインの意図がうまく伝わったようです。今回は参加者の半数が、臨床美術初体験の方ということで、始めに臨床美術についての説明をしました。皆さん、うなずきながら静かに聞いて下さいました。

 いよいよ制作スタート。準備運動を兼ねた画材作りから。新聞紙をひろげて、ゆっくりと大きな動作で破ったり、ぐっと握ってくしゃくしゃに丸めたり、くるくると棒状にしねじったり・・・体がほんわかと温まったような感じがしました。

 次は、かぼちゃの形に注目し形を作っていきます。これがなかなか力のいる作業。手の力だけでは思うような形にならず、机にぐっと押しつけたり、立ちあがって力を入れたりと、思い描く形に近づけようと皆さん真剣な表情。「けっこう力がいりますね。」の声や一つの動作をするごとに「ふーっ」とため息をつく方も。がんばった甲斐あって、個性的なかぼちゃの形になりました。

 黄色、橙、ピンク、黄緑、白、黒などかぼちゃから感じられる色の和紙を糊づけしていきます。「うーん、この黄色に合う色は何かな。」「こんな色ないよね。でも、かぼちゃが貼ってほしいっていっている。」一人一人が自分のかぼちゃと会話しながら作業を進めていきました。会場は水を打ったような静けさ。皆さん臨床美術を楽しんでくださっているのか不安になりました。

 最後にかぼちゃにサインを入れて出来上がり。メインからの「サインも作品の一つです。」という声掛けに、和紙でサインを表現した方、ご自分のバックから筆ペンをとりだし、サラサラとサインを書いた方など、私たちも考いつかなかったサインの表現に、とても勉強になりました。

 作品が完成し、張り詰めていた会場の雰囲気も和やかになりました。完成したかぼちゃが、メインお手製の鑑賞台にずらりと並びました。イーゼルを利用して、かぼちゃ一つ一つをゆっくりと全体をみながらの鑑賞会。お立ち台にのったかぼちゃは、どれも皆さんの思いや工夫が詰まった素敵な作品でした。

 かぼちゃを持ち帰る皆さんの笑顔、「楽しかった」と言っていただけたことにスタッフ一同とても喜んでいます。また、お会いできること楽しみしています。ありがとうございました。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

 

【依頼講座】宮城県七ヶ宿町へ行ってきました!④

2017年10月7日(土)
依頼講座 宮城県七ヶ宿町社会福祉協議会
会場 七ヶ宿町高齢者センター(関)、湯原コミュニティーセンター
プログラム「エリンギのネガポジ画」

今年度4回目の訪問です。午前は、一期生の13名、午後は二期生の9名で、秋を意識して「エリンギ」を題材にしたプログラムを実施させていただきました。七ヶ宿社協さんによると、前回まではどんな内容に取り組むか事前にお知らせしていたそうですが、今回は「お楽しみ」ということで伏せていたとのこと。おかげで、始まるまで「何かな」と興味津々な様子でした。このワクワク感も大事です。プログラムの前に、「臨床美術」について説明させていただきました。

プログラムを進めるにあたって、まず「ネガポジ」ってなに? というところから説明しました。ネガフィルムや「ルビンの壺」などを例にしながら、視線を置かれた物体に向けるか、台紙に注ぐかで見え方が変わります。視線の切り替えはちょっと難しかったかもしれません。 台紙からはみ出そうな大きくて瑞々しエリンギが登場しました。参加者の中にはエリンギ自体、あまりなじみのない方もおられました。まだキノコの種類としては新しいのかもしれません。普段から食べている方には、いろいろな食べ方を教えていただきました。いつもはすぐ調理してしまうものを、じっくり眺めたり肌触りを確かめたり、香りをかいでみたりと観察しました。

紙ではないものに、通常とは違う方法で行う輪郭の取り方に戸惑いもありましたが、皆さん何とかエリンギの下地ができました。

どちらの会場も色付けが始まると、それまでにぎやかだった場が一転、制作に集中してしばし沈黙したのがとても印象的でした。

「エリンギにみえるかな~?」「まつたけみたい」と、仕上げに向かって形が整い始めるとまたにぎやかな雰囲気になってきました。「とても楽しい」との声も聞こえてきて嬉しかったです。

「図画は苦手」と言いながらも仕上げに近づいてくると更にエリンギらしくなってきます。慣れてくると大胆な色使いもできるようになって、素敵な作品が出来上がりました。最後にお互いの作品を鑑賞し合い、記念撮影。後日、作品の展示会を考えているそうです。

七ヶ宿社協さんから参加者の皆さんのお宅では、これまでの作品を玄関先等に飾って楽しんでおられると聞き、講座を実施してこられてよかったな~と嬉しく思いました。毎回、講座を楽しみにしている方も多いとのこと。次へのエネルギーを頂いた想いです。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

 

【レポート】主催体験講座「透かし窓に描く月光にススキ」

2017年9月10日
クリニカルアートやまがた主催
臨床美術体験講座「透かし窓に描く月光にススキ」

 

締め切りを待たずして満員御礼となりました今回の講座。
秋晴れが広がる気持ちのいい日曜日に、8歳~87歳までと幅広い年齢の方々がお集まりくださいました。


まずはテーブルごとに簡単に自己紹介をして和んだところで…

池に映り込む名月に心を奪われ夜通し眺め続けた松尾芭蕉の句や、名月について詠んだ百人一首を紹介しつつ、秋の雰囲気をそれぞれ想像していきます。
現代においては一晩中月を愛でる余裕はなかなか無いかもしれませんが、わびさびの美意識は私たちの中に連綿と息づいているのではないでしょうか。

そんな、いつもはなかなか使わない感覚をフル稼働させて、
本物のススキも会場に飾られ、秋の雰囲気をぐっと感じつつ自分だけの秋の夜の風景を、時にサポートスタッフのアドバイスを受けながら作り上げていきます。
  

つい既成概念に囚われて行き詰まってしまった時は、他の方の作品を参考にさせていただいたり、ちょっと離して眺めてみたりすると、新たな視点やアイディアが生まれて、次の一手に繋がるようです。
   
思い思いにサインを入れればフィニッシュ!

同じ道具と材料と手順で描いたとは思えない、様々な月とススキが完成しました!

 

鑑賞タイムでは、メイン講師渾身の作品台に作品を置いて裏から光を当てると…明るく輝く月が!
みんなでお月見の気分で鑑賞です。

  
  
  
「物語が始まりそう」 「この赤が効いている」 「リズミカル」 「うさぎが住んでそう」
全ての作品に見どころや魅力が示されます。全員で拍手で称えあいました。

アンケートには以下のような感想が寄せられました。

「時節に合った題材で、次に何をするのかなというワクワク感もあり、とても楽しかったです。出来上がった作品の鑑賞もそれぞれの味わいを感じることができました。とてもいい時間を過ごすことができました。ありがとうございます。」(50代・女性)

「臨床美術というものを初めて体験しましたが、難しくなくとても楽しみながら制作をすることができたのでよかったです。」(10代・女性)

「悩みながらも、アドバイスをいただき出来ました。ありがとうございました。」(60代・女性)

「準備が大変でいらっしゃると思いました。何も持たずに楽をさせていただきました。とてもリラックスできた時間でした。ありがとうございました。」(50代・女性)

「初めてでしたが、とても楽しく参加させていただきました。」(80代・女性)

「普段、絵で表現することは全くなくとても考えてしまい手が動かなかったが、徐々にイメージがわいてきた気がした。出来栄えはイメージと違ってしまったが、それとは別にスッキリした楽しさを感じた。それも楽しかったです。」(50代・女性)

「夢中になれるひとときを過ごさせていただき、ありがとうございました。同じ席になった方々とのおしゃべりも楽しかったです。」(60代・女性)

「秋の夜の雰囲気がとても好きなので、想像するのがとても楽しかったです。」(20代・女性)

「参加者が多い中、各テーブルごとにスタッフさんがついてくださり、分からないこともすぐに聞くことができました。参加者の方もご年配の方も多く、様々な年代の方が参加できるワークショップは素敵ですね。」(30代・女性)

「今回で3回目の参加です。とても楽しかったです。申し込んだ日から楽しみにしていました。次回もぜひ参加したいです。」(40代、女性)

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

次回の主催講座も幅広い年代の方々に参加していただき、楽しんでいただける講座となるよう頑張ります!

※写真提供 東北芸術工科大学事務局

【依頼講座】らふらんす大江に行ってきました!②

2017年8月18日(金)
依頼講座          らふらんす大江
プログラム名   「 水面のペンスタンド」

今年度2回目の講座になります。
名前の通り 施設の果樹畑では ラフランスがたくさんの青い実をつけていました。
ラフランス
の甘い香りと 味わいを思うと収穫の時期が待ち遠しいですね。

今回は、手元に置いて使える作品を…とリクエストをいただき、暑い季節に少しでも涼しさを感じられるようにと選んだプログラムです。

画材の種類もいつもよりたくさん使い、工程も多彩ですが、様々な「水面」をイメージさせる作品が出来上がりました。


 
 

カラフルな色と楽しい形。

 

それぞれのオリジナルな作品は とても素敵です。

鑑賞会は、自分の作品がとっても気になりますね。

講座を重ねるごとに、参加者の皆さんの表情が柔らかく、ゆったりとした雰囲気になっているのが、とても嬉しく感じます。
集中してできた作品は、どれもワクワクと気持ちがあがる仕上がりです。

次回は10月!どんな作品や、みなさんの笑顔に出会えるかとても楽しみです。

 


 

 


【依頼講座】宮城県七ヶ宿町へ行ってきました!③

2017年7月29日(土)
依頼講座 宮城県七ヶ宿町社会福祉協議会
会場 七ヶ宿町高齢者センター(関)
プログラム「ナスの量感画」


七ヶ宿町社会福祉協議会さまよりご依頼いただき、今回初めて臨床美術講座に参加される皆さんにお集りいただきました。昨年から参加の2期生に続き、3期生の初講座です。

 

初めましての挨拶のあと、さっそく試し描きに入りました。初めて使うオイルパステルを手に不安げな表情を浮かべつつも興味深々の様子です。

まずはまっ白な紙に線を引いていきます。真っすぐに、またクネクネと。そして、厚く色の重なったところを削ってみたりもしました。軽快でリズミカルな手の動きに、出番待ちのモチーフ「なす」達が、生つばを飲み込んだかの様に見えました。

 

さあいよいよナスの登場です!実際にナスを見ながら描きはじめます。重量感も十分に描けました。形もいいナスばかり。

続いて、皮の表面を描く説明をすると、「・・・かくれて見えなくなる」のひと言に、会場が同感の意に包まれました。いいえ、下地がしっかりしているのでいい仕上がりになりますよ。ご安心ください!ほら、“量”を“感じる”もぎたてのナスに仕上がったでしょ。

ナスが描きあがったところで皆さんの緊張もすっかりほぐれてきたようです。構成はまるでパズル遊びのように楽しんでいましたよ。

完成した作品は、バランスがとてもよく、また、色合いが穏やかです。日々を丁寧に積み重ねてこられたみなさんの人生をうかがい知ることができました。

 

最後に感想をおたずねすると「夕べは眠れなかった」とお話しくださった参加者がいらっしゃいました。わたしたちスタッフも同様で、不安と楽しみで少々寝不足でした。

爪に入り込みなかなか落ちない色も、今日はこのままにして早めに休みましょう。楽しい一日を、ありがとうございました。

写真提供:七ヶ宿町社会福祉協議会

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